登 嘉 長 時 鬱 慶 惠 棄 苞 天 秋 種 雷 雨 述 雲 之 之 育 覆 畢 盈 周 中 西 從 則 必 此 何 有 膏 我 夜 南 北 滋 憔 群 彌 成 壤 庭 降 征 來 榮 悴 生 廣 |
天覆何彌廣 天の覆う何ぞ弥く広くして 苞育此群生 此の群生を苞育するや 棄之必憔悴 之を棄つれば必ず憔悴し 惠之則滋榮 之を恵めば則ち滋榮す 慶雲從北來 慶雲 北従り来り 鬱述西南征 鬱述として西南に征く 時雨中夜降 時雨 中夜に降り 長雷周我庭 長雷 我が庭を周る 嘉種盈膏壤 嘉種 膏壤に盈ち 登秋畢有成 登秋 畢て成る有り |
天はこの世界の隅々まで広く統べ 地上の生物たちを豊かにはぐぐんでおられることか だから天に棄てられたものは必ず憔悴し 恵みを与えられたものは繁栄する 瑞雲が北からやって来て 雲は一団となって西南に流れていく 待ち遠しい雨が夜の間に降り注ぎ 雷が私の庭にも鳴り響いていた きっと良き種が肥沃な土壌に広がり 秋が来る頃にはすべて実りを迎えることだろう |
【『雨を喜ぶ』】タイトルどおり、日照りが続いた後の雨に感謝する歌。一説に太和2年(288年)の作品。